松谷 浩尚 著
外務省の職員としてトルコ日本大使館、イスタンブール日本領事館に勤務した著者だけあり、近現代のトルコの内政、外交情勢について、12人の人物のエピソードに絡めて、詳しく記されている。
取り上げられた人物で、ナイチンゲールやアガサ・クリスティなどは知っているが、日本人に関しては、乃木将軍以外は、名前もあまり知らなかった。
しかし、明治の中ごろ(1890年代終わり頃)から、日本とトルコの間で、色々な交流が始まっていたようであり、トルコは大変な親日国でもあるようだ。
明治維新で、急速な近代化を計った日本と、大統領ケマルパシャ(アタチュルク)が、強力な政治力で、近代化を進めたトルコ共和国、また、アジアの東西にあるが、欧米の国々と肩を並べようとした日本とトルコなど、類似した所が、親近感を持たせているのかも知れない。
中公新書 1408
1998年3月25日 発行
発行所 中央公論社
ISBN4-12-101408-1
C1225 \740E