西垣 通 著
情報＝いざなうものと言うところから論が展開されている。
工学的な情報科学が触れていない人間との関わりでの議論である。
情報システム、特に、バーチャルリアリティシステムに対する社会・文化的側面からの危うさを危惧する内容である。
現実の世界と異なるサイバーワールドが一種の神聖な世界に見せ掛ける事による似非宗教の様になる懸念、また、その世界での王＝神となることによって、ビジネスに悪用される懸念などである。
新しいコミュニケーションの世界が開けることにより、宗教的な物を感じる所まで、行くかどうかは分からないが、新しい価値観や思想が芽生えたり、これまでの価値観と齟齬を起こすと言うことは、起きつつあると感じる。
21世紀問題群ブックス23
1995年12月5日 第1刷発行
発行所 (株)岩波書店
ISBN 4-00-004443-5
C0300 P1500E