エスター・ダイソン 著
吉岡 正晴 訳
筆者は、アメリカのコンピュータ業界で著明なジャーナリストだそうである。
この本は、'97年に書かれた物であるが、現在読んでも余り古さを感じなかった。
インターネットをベースとした社会インフラ変化における本質的問題点を突いているためか、問題点が依然解決していないからだろう。
450ページ程度の分量のある本であり、また、個人的には、表現が分かりにくいと思うところもあり、読み終えるのに若干時間が掛かってしまった。
著作権などの知的財産の価値が高くなると言うことがよく主張されるが、筆者は、知的資産の市場価値がなくなると言う説を述べている点がユニークであると思う。
また、コンテンツの制限やセキュリティの問題につてもかなり詳しく議論しているが、最終的には、なんらかの権力による制限よりも、民意や自己の責任を中心とした解決法が望ましいとの主張と感じた。
1998年7月30日 第1刷発行
発行所 (株)集英社
ISBN 4-08-773294-0
C0097 \2800E