久保 正敏 著
著者は、情報工学出身であるが、民族学のフィールドで仕事をいているそうだ。
オーストラリア・アボリジニ向けにソフトウエアを開発し、使ってもらうと言う経験の中で、彼等のコミュニケーションや学習において、イメージが非常に重要な役割を持っていることに気がついた。
情報を伝えるものがメディアであり、情報の発信者のイメージが、受信者のイメージに変換されることがコミュニケーションであるとモデル化している。
本書では、コミュニケーションのモデル化、メディアの進化の歴史、これからのメディアの課題などをイメージと言う切り口から整理している。
メディアの進化は、情報のイメージ化度を高める方向で進んでいる。
人と人のコミュニケーションでは、ある元の情報を伝えようとする場合、発信する人の経験等によって、元情報が変換され、その結果が相手に伝えられる信号となる。
受けっとった人の中では、受取った信号を自分の経験等によって変換されて解釈される。
元情報がそのまま伝わることはない。
このようなコミュニケーションの特性を理解して、メディアに対するリテラシーを身につける必要がある。
NHKブックス[779]
1996年9月20日 第1版発行
発行所 日本放送出版協会
ISBN 4-14-001779-1
C1300 P950E