井上 ひさし 著
著者の出している「四千万歩の男」（全5巻・講談社文庫）の紹介本のような感じの本であった。
伊能忠敬とその周辺の人びと、また、地図に関する書き物などが集められている。
伊能忠敬は、日本地図を作った人として有名であるが、元は、現在の千葉県佐原の米商人、村政家であったそうだ。
伊能家に婿に入った時は、三億円だった資産を隠居した50歳の時には、70億円にまで、増やしていたそうで、やり手の商人だったようだ。
50歳で、隠居した後、星学暦学を勉強し始め、56歳から、72歳まで、日本の海岸線を歩いて回り、実測による日本地図を完成した。
歩いた距離は、3万5千Km、約4千万歩になるそうである。
経度1度の南北長を初めて実測した人でもある。
忠敬のように、隠居後(定年後)、新たなことを成し遂げた生き方は、人生80年となった現代人に、生き方の示唆を与える。
2003年12月15日 第1刷発行
発行所 (株)講談社
ISBN4-06-273905-4
C0195 \533E