ステファン・レクトシャッフェン 著
高瀬 素子 訳
時間の有効な活用法を述べた実務的な本かと思って手に取ったが、どらかと言うとメンタルな面で、時間を捉えた本であった。
筆者は、内科医であるとともに、タイムシフティングのワークショップを主宰する活動家でもある。
本書では、時間に追われた現代人に、自分の時間を取り返すこと、時間の流れを変えることの必要性を述べている。
現代社会では、全速力で走ることが、美徳と感じられている。
この時間の流れに多くの人が飲込まれており、その結果、人々にストレスを生じさせ、様々な問題の原因となっている。
この流れから、意識的に、タイムシフティングすることにより、すなわち、自分のリズム・流れへギアシフトすることにより、時間を有効に、かつ、楽しむことができる。
このギアシフトの仕方とタイムシフトした生き方を人間関係、仕事、健康、など色々な面から述べる。
普通、多くの人は、日常の生活で、一息入れたり、立ち止まって気分転換したりをやっているのだと思う。
しかし、現代は、極端に忙しい人や忙しくないと心配な人など、自分で、自分のペースをコントロールできない人も出てきているのだと思う。
タイムシフティングの手法はこのような人にとってのカウンセリングのようなものだと感じた。
1997年5月25日 第1刷発行
発行所 日本放送出版会
ISBN4-14-080310-X
C0030 \1800E