ジェレミー・リフキン 著
竹内 均 訳
最初の版が出てから、25年、改訂版が出てからでも15年程度が経っている本であるが、二酸化炭素の排出や地球温暖化などの環境破壊問題は、今でも進行していると言える。
本書で、訴えているエントロピーの法則から言えば、本質的に元に戻ることはない。
利用可能な形でのエネルギーの総量は、限られているので、それを如何に有効に、また、穏やかな形で、利用するかが、重要である。
地球は、宇宙に向かって開放されているように見えるが、有効なエネルギーや物質と言う面では、地球外から取り込むことは殆ど、困難（実施するには、より多くのエネルギーを消費してしまうため）であり、閉鎖系と考える必要がある。
レイチェル・カールソンの「沈黙の春」は、環境汚染について警告した本であるが、本書は、同じような感じで、限りあるエネルギー、環境問題について、徹底して述べている。
本書では、東洋の思想・宗教により、エネルギー・環境問題を緩和できる、そして、その代表として、日本が上手く対応できていると記載しているが、現実問題として、疑問を感じる。
期待に応えて、環境問題改善をリーディングして行くことが望まれる。
平成2年5月15日 初版第1刷発行
平成11年1月15日 第9刷発行
発行元 祥伝社
ISBN4-396-65009-4
C0036 \1800E