茂木 健一郎 著
本書では、「偶有性」、「世界知」、「生活知」などがキーワードになっている。
「偶有性」とは、半ば偶然に、半ば必然に起ることをさす。
人の脳は、この「偶有性」をもつ事象から、なんらかの意味付け（整理）をしようとする特性をもつ。
個々の人が、整理し、自分の「知」となったものが、「生活知」と言える。
一方「世界知」は、科学に基づく、個々の生活と切り離された客観的な知である。
「世界知」は、科学的真実、一般的な傾向を示すが、個々の人生の真理になっている訳ではない。
しかし、「世界知」と「生活知」は、深い関係を持つはずである。
この二つの知を結び付けるものが「脳」である。
また、現代をより良く生きるには、偶然の幸運に出会う、偶然を必然とする能力が重要だとしている。
そのためには、「行動」「気づき」「受容」が必要である。
偶然のチャンスを生かすための「気づき」や「受容」は、自分で意識してコントロールできることである。
つまり、脳の使い方次第で、偶然を必然とすることができるようになる。
2005年9月10日 第1刷発行
2005年10月5日 第4刷発行
発行所 (株)筑摩書房
ISBN4-480-06262-9
C0245 \700E