荒木 経惟 著
筆者はアラーキーで知られる写真家である。
最初は電通のカメラマンだったそうであるが、本書は、電通時代から現在までの作品や活動について、振り返った内容である。
筆者は、ヌードなど過激な写真を発表し、ちょっと変わった写真家のイメージもあるが、本書を読むと、色々な新たな試みへの取り組み、写真へのこだわり・哲学を感じる。
本書の中で、写真は、一番愛するものを撮る、一番身近なものを撮る、すぐ目の前、すぐそばのことを撮る、人を撮ることと宣言している。
そして、奥さんとの新婚旅行の写真集「センチメンタルな旅」を写真家としての出発と宣言しているが、その奥さんを病気で早く亡くしていることが、その後の写真活動に、大きく影響しているような気がした。
モノクロとカラー、生と死、花・枯れた花、色々な人の顔などへのこだわりなどが述べられている。
書中に写真も多く掲載されている。ヌード写真も多いので、電車で、読むには、少し気恥ずかしい所もあった。
2005年10月15日 第1刷発行
2006年1月30日 第2刷発行
発行所 (株)白水社
ISBN4-560-02703-X
C0072 \1800E