西澤 潤一 著
筆者の三十数年の研究人生を振返った自伝である。（本書は、60歳位の時の物である。）
筆者は、日本の半導体や光通信をリーディングした世界的な研究者であり、東北大学教授、東北大学総長、岩手県立大学学長、首都大学東京学長を歴任している。
世界に先駆けて、PINダイオード、静電誘導型トランジスタ、半導体レーザー、光ファイバーなどの開発、発明を行った。
このような世界に先行した素晴らしい研究成果を国内で、発表、あるいは、特許取得していたが、国内では、散々な評価がされ、怪し気な研究を行っている研究者として、扱われたようだ。
同じような研究成果が、海外から入ってくると、有難がって受入れる日本の学会・業界を痛烈に批判している。
日本人は、独創性がないとか、あるいは、改良的成果のみをもって外国より、優れていると言った両極端な考え方はおかしいとしている。
独創性にも、基本的なアイデアに関わるも、改善的アイデアに関わるものなど多様なものがあり、尊重することが必要である。
筆者は、愚直に、完全結晶を求めて、結晶研究を突き詰めて言った所から、半導体や光ファイバーと言った素晴らしい成果を得ることができたとしてる。
また、現象から課題に着目できることが必要だとしている。
1986年3月10日 発行
発行所 プレジデント社
ISBN4-8334-1270-5
C0036 \1200E