伊丹 十三 著
本書は、伊丹が、2０代後半（1965年）に、書いたエッセイを文庫化して出版ものである。
伊丹は、当初、商業デザイナーとして、それから、大映で俳優、その後、渡欧して、国際俳優になった。
本書は、その頃に書いたエッセイである。
内容としては、ヨーロッパの街、車（スポーツカー）、ファッション、料理、音楽、語学などについて、筆者の蘊蓄、こだわりを記している。
ジャガーは、ジャギュアと発音してもらいたい、とか、スパゲッティの食べ方（音を立てないで食べるため、2,3本をフォークの先に巻くのだが、フォークを皿から離さずに巻取る）や「ドッグ・シューズ」と言うタイプの靴を毎年6足イタリアのある店から取り寄せる・・・などのこだわりようである。
また、ヨーロッパで、映画のオーデションを受けた時の緊張なども記している。オーデションに合格したらロータス・エランを買おうと決める所もすごい。結果としては、買えるのだが。
この当時、海外で、活躍できる俳優はかなり限られていたと思うが、海外と日本のギャップもかなり感じ、これを述べている所も多いと思う。
ただ、少しこだわり（感受性かも）が強すぎて、生きにくい面もあったのでは無いだろうか？
平成17年3月1日 発行
発行所 (株)新潮社
ISBN4-10-116731-1
C0195 \476E