カルロス・ルイス・サフォン 著
木村 裕美 訳
先月読んだ上巻に続き、下巻を読んだ。
下巻では、主人公であるダニエルが、カラックスが、バルセロナに戻ってきてからの足取り、また、姿を消さなければならなかった理由などさぐる。
カラックスの恋人であるぺネロぺの養育係であるハシンタやカラックスの本の出版を担当したヌリアなどに当る。
真実をさぐるダニエルらの周りには、死の臭いがつきまとうフメロ刑事部長、やけどで顔を失った怪しい人物などが、絡んでくる。
ヌリアがカラックス失踪の事情を知ると推測したダニエルらが、ヌリアに接近するが、ヌリアは、誰かに殺害されてしまう。
しかし、ヌリアは、ダニエルに一つの手紙を残していた。そこに書かれていた真実は、驚くべきものであった。
後半、ますます、話に引き込まれ、一気に読んでしまった。
カラックスとその恋人であるぺネロぺとの間に起きた事件と、それをさぐるダニエルと恋人ベアトリックスの間に起きることが、35年程の隔たりはあるが、奇妙な類似を持つことも興味深い。
集英社文庫
2006年7月25日 第1刷発行
2006年10月15日 第6刷発行
発行所 (株)集英社
ISBN4-08-760509-4
C0197 \743E