カズオ・イシグロ 著
土屋 政雄 訳
久しぶりに少し長めの小説を読んだ。筆者は、日本生まれ、イギリス国籍だそうだ。
静かに淡々と物語が進むが、登場人物たちがどのような人達かの記述がないため何か無気味な感じがする。
登場人物たちの学園、あるいは、施設での生活が語られるが、登場するのは子供達と先生たちのみなので、孤児の為の施設なのかと思って読んで行ったが、どうもしっくりこない。
徐々に、子供達の生立ち、人生が語られるが、現実的は、あまり想像できない生い立ちを持っていることがわかり、ミステリー、あるいは、SFと言ったジャンルの物語だったのだと思い出す。
科学的にまったくあり得ないことではないのかも知れないが、もし、本書で語られるような世界があったら、恐ろしいと思う。
ハヤカワepi文庫51
2008年8月25日 発行
発行所 (株)早川書房
ISBN978-4-15-120051-9
C0197 \800E