アンドレア・M・シェンケル 著
平野 卿子 訳
実際にドイツで発生し、迷宮入りした一家皆殺し事件を基に書かれたミステリー小説である。
筆者は、これまで専業主婦であり、本作品がデビュー作品だそうであるが、いきなりドイツミステリー大賞を受賞している。
確かに、新鮮な書き方がされており、作品に引き込まれ手行く。
事件や殺された家族に関連した人々の証言を順に紡いで、物語りを構成している。
証言がらせんを描いて、渦の中心である事件の核心に迫って行く感じである。
また、ドイツでの第二次世界大戦後の人々の心の傷跡も描かれているような気がした。
集英社文庫
2007年10月25日 第1刷発行
発行所 (株)集英社
ISBN978-4-08-760542-6
C0197 \514E