島田 洋七 著
筆者は、小学校2年から中学を卒業するまで、母親から離れて、佐賀の祖母のもとで育てられたそうだ。
本書は、中学を卒業し、広島の広陽高校野球部に入るため、佐賀の祖母の所から、広島の母の所に戻る所、その後の野球部での様子、怪我をして野球部をやめたこと、高校を卒業して、八百屋さんで働いたことなど、筆者の中学から漫才師になるまでの青春時代を記している。
名門高校野球部で甲子園をめざし、挫折したり、人生の折々で、祖母のポジティブな生き方、ことばに励まされる。
本書で、書かれている昭和の30年代40年代を思い出すと、物には恵まれない人は、沢山いたような気がするが、今ほど、貧乏と言う感じはしなかったのではないだろうか？
自分の子どもの頃を考えても、物やお金はなくても、家の周りでの遊びや家族でいることでも結構楽しかった気がするし、物事に一所懸命取り組むことも楽しかったと思う。
この辺りの感覚が、本書に共感を感じさせたもとかも知れない。
集英社文庫
2007年8月8日 第1刷 発行
2008年6月7日 第2刷
発行所 (株)集英社
ISBN978-4-08-746196-1
C0195 \476E