歌野 晶午 著
軽いタッチで、一気に読めるミステリである。
フリーターである主人公に友人の憧れの女性の家族が交通事故で亡くなったが、不審なところが有り、調べてほしいと言う依頼がある。
主人公は、以前、見習い探偵もやったことが有ると言うことで、調査を始める。
亡くなった人は、蓬莱倶楽部という高額の健康食品や羽布団を扱っている怪し気な会社から、沢山品物を買っていたようだ。
主人公は、依頼を受けた頃、地下鉄の駅で、飛び込もうとした女性を助けるが、デート等して、次第に親しくなる。
主人公の調査と蓬莱倶楽部の不法行為、それに、主人公が昔関わった暴力団絡みの事件などの話が並行して進むが、最後に一つに結びつき、驚きの結論に至る。
結論を知って物語を最初から読むと多分大分感じが変わると思う。
言葉の先入観で、大分異なる状況を想定していたことに後で気づかされ、やられた！と言う感じだ。
文春文庫
2007年5月10日 第1刷発行
発行所 (株)文藝春秋
ISBN978-4-16-773301-8
C0193 \629E