齋藤 孝 著
退屈力は、筆者の造語だ。
退屈の反対の意味は、刺激が多いことだと言う。
刺激が多いことは、良いこととは限らない。刺激による快感は、更なる刺激を求めエスカレーションして行く。
人生の幸福は、高刺激による快感からは得られない。退屈力を身につける必要が有ると述べる。
退屈力は、一種の忍耐力と言って良いのだろうか？筆者は、武道等における型を身につけること、型を基準とした自己との対話のようなことをじっくり行うことも退屈力と言っている。
一見面白くない勉強や読書などをしっかり行うことが、退屈力を育てることになるとしている。
高刺激を追い求めることは、限界が有ることは理解できるが、刺激を求めることなく人生の満足感を得る力を退屈力と表現するのは、何となく違和感を感じる。
もう少し良い表現が有るような気がする。
文春新書628
2008年4月20日 第1刷発行
発行所 (株)文藝春秋
ISBN978-4-16-660628-3
C0395 \720E