アーネスト・T・シートン 著
藤原 英司 訳
本書には、表題作の他、銀ギツネ、アライグマの物語が収録されている。
ビンゴは、子犬の時に、シートンが手に入れて、一時期飼っていた猟犬である。
シートンの手を離れても、シートンとビンゴの絆は強く、シートンが過って、狼用の罠に掛かった時、遠くから、シートンの危機を察知し、シートンのもとに駆付けてくれたそうだ。
銀ギツネの物語は、銀ギツネのドミノが生まれてから、成長し、宿敵の猟犬との闘いやパートナーとなるキツネとの出合い、ドミノのファミリーの様子、また、ドミノにまつわる人の物語等が記される。
銀ギツネは、黒い身体の毛先がシルバーに輝く美しい毛並みをもつキツネで、キツネの中でも特別に強く、賢いそうだ。
ドミノもその毛皮を目当てに、猟師からしつこく狙われるが、その体力と知恵、さらには、運にも助けられて、生き延びる。
アライグマは、いたずらもするが、可愛がられているようだ。
書中には、野生動物の姿を描いたスケッチもたくさん挿入されていて、動物たちの姿がいきいきと見えてくるような気がする。
集英社文庫
2008年8月25日 第1刷発行
発行所 (株)集英社
ISBN978-4-08-760559-4
C0197 \429E