アントン・P・チェーホフ 作
イリ−ナ・ザトゥロフスカヤ 絵
中村 喜和 訳
自分の思想などを箱に入れ、世の中で、禁止事項だけが、正しいこととし、疑わしいものは、全て、「なにかおこらなければいいが」と言う、超保守的な人物についての物語だ。
自分についてのみそうであれば良いが、回りの人に、杓子定規を通し、告げ口、上司への「申告」をするなど、迷惑な人物である。
結婚の話が、起きるが、婚約者が、自転車に乗っている所に出会い、軽率だ、誰かから、上司に申告されるだろうと言う。
それがもとで、密告者だと言われ、口論になり、階段から落ちる。
落ちて怪我はしなかったが、階段から落ちたことを周りの人に笑われることが、たまらず、寝込んでしまう。
やがて、亡くなり棺に入った彼は、安らかな表情だった。
箱に入った人は、亡くなったが、すぐに、同じような人物が出て来ると言うことが語られる。
19世紀のロシアの雰囲気ということもあるかも知れないが、このような人物は、どこにでもいると言うことをチェーホフは、述べているのかも知れない。
2008年9月25日 初版発行
発行所 未知谷
ISBN978-4-89642-237-5
C0097 \2000E