大島 真寿美 著
すりばち状のくぼ地にあるすりばち団地に住む少年少女達の物語である。
すりばち団地の住人の間で、すりばち団地の底の所に、ボタンがあると言伝えられている。
父親がいなくなり、祖母の家に引取られて来た男の子は、叔父から、すりばちの底のボタンを押すと願いがかなうと聞かされ、ボタンを探し始める。
一方、同級生の二人の女の子は、すりばちの底のボタンを取るとは、すりばち団地が沈み込んでしまう。昔、一人の男の子が蓋となって沈み込むのを防ぎ、ボタンとなっていると言う話を中学生の兄から聞いていた。
希望がかなうということで、ボタンを探す人が他にも現れ、団地が消えてしまうかもしれないと思った子供達はボタンを探して守ろうとする。
希望をかなえるということと、自分が犠牲になって団地や人を守ると言ういうことのいずれを選ぶか等悩むことにより、子供達が成長して行く。
2009年2月16日 第1刷発行
発行所 (株)講談社
ISBN978-4-06-215306-5
C8093 \1300E