増田 戻樹 著・写真
著者は、写真家である。25年くらい前にデパートの屋上で売っていたカメレオンを買って、飼育したそうだ。
4匹飼って、自分で飼育するのは止めたそうだが、カメレオンへの興味を失わず、野生のカメレオンを撮影したいと思っていた。
カメレオンは、世界で、160種いて、そのうちの60%は、マダガスカル島に棲息しているとのことで、マダガスカル島を訪れる。
マダガスカル島へ行けば、直ぐに、色々な種類のカメレオンに会え、撮影できると思っていた著者であるが、実際には、なかなかあえず、数度、訪れる事になる。
マダガスカル島は、日本の1.6倍の大きさの島で、インド洋上、アフリカ大陸の東に位置する。
もともとは、熱帯の森林だったが、森林を伐採し、使ったり、土地を切り開いたりしたため、本来の自然は失われつつあるようだ。
筆者は、各地の自然保護区などを訪れ、苦労しながらカメレオンを探す。
5度の訪問で、30種くらいに巡り会えたそうだ。
本書でも紹介されているが、一口で、カメレオンと言っても、大きさで、60cm位のものから、指の先位（3cm位）のもの、樹上で暮らすもの、土の上で暮らすもの、卵生のもの、体卵生（体内で孵化してから生まれる）のものなどもいて、非常に奥が深い。
本書は、少年少女向けと思うが、写真がモノクロなのが、残念だ。カメレオンのあざやかな色彩をカラーで見たかった。
あかねノンフィクション・14
2003年10月15日 第1刷初版発行
発行所 (株)あかね書房
ISBN4-251-03914-9
C8395 \1300E