宮部 みゆき 著
700ページを越える長編だ。
写真に居ないはずの人が写っているなど奇妙な写真が主人公の所に届けられる。
主人公は、普通の高校生であるが、友人や弟などと写真の秘密を解き明かす。
それを聞いた人が、新たな写真の解明を依頼して来る。
本書は、4話で、構成されるので、最初はそれぞれ、独立して、写真の秘密を解明するという物語かと思ったが、4話が、関連し、最後の話に繋がって行く。
写真は、心霊写真ではなかったが、主人公の一家には、幼くして、亡くなった妹があり、その子の霊に会えるのではないのか、との思いもあり、写真に込められた人の思いを解き放そうとする。
幽霊や写真に写った像と言う形を取っているが、人を思う気持ちや人を守ろうとする気持ちを描いた物語だと思う。
2010年5月15日 第一刷発行
2010年5月17日 第二刷発行
発行所 (株)講談社
ISBN978-4-06-216222-7
C0093 \1900E