3月11日の大震災で、被災されました皆様お見舞い申し上げます。
早く復興されますことを心よりお祈り申し上げます。
アントン・パヴロヴィチ・チェーホフ 著
沼野 充義 訳
チェーホフは、ロシアの有名な作家であるが、これまで作品に触れることがなかった。
新訳と言うことで、表紙も親しみやすい感じの装丁の本となって、出版されたのを機会に、手に取った。
本書には、13編の作品が収録され、それぞれに、翻訳者の解説が付加されている。
100年少し前のロシアの人々の生活環境等を把握していないと作品の内容を理解しにくところもあるので、解説があるのは嬉しい。
また、作品が最初に出版されたときと後で出版された時で、大幅に内容が変わったものもあるなども解説してあり、面白い。
収録されているものは短編であるが、どれも、意味深な感じがする。
ユーモア作品の様でも、登場人物への賛同・反対など一方的には決めることはできない。
1話目の「かわいい」と言う作品に登場する女性は、男性に従順で、付き合う男性の意見をそのまま受入れる人だ。
素直な性格を良しとするか、自分の意見を持たないのは駄目だとするかとかなど判断は、読者にまかされる。
2010年9月30日 第1刷発行
発行所 (株)集英社
ISBN978-4-08-773470-6
C0097 \1600E