綿矢 りさ 著
本書は、大江健三郎賞の受賞作品である。
表題作と「亜美ちゃんは美人」の2編の中編が収められている。
「かわいそうだね？」は、付き合っているアメリカ育ちの男性が、元かのが就職が決まるまで、行くところがないので、自分のアパートに泊めてやるという。
彼女と元かのの間に入った男性の存在はいまいち理解できないし、それを理解しようとする主人公も結構理解しがたいものがある。
主人公が、最後に、関係をはっきりさせて、ようやくスッキリしたような気がした。
「亜美ちゃんは美人」の方が、理解しやすい感じがした。
美人で、かつ、皆から慕われて育った亜美ちゃんが、最後に選んだ男性は、自分を好きにならない？ちやほやしない男性だった。
2編とも若い女性が主人公である。女性読者には、共感を得られるのだろうか？
おじさんには少しギャップが感じられた。
2011年10月28日 初版発行
発行所 文藝春秋
ISBN978-4-163809502
C0093 \1365E