福岡 伸一 著
小林 廉宜 写真
生物学者である筆者が、数年に渡り、世界に点在しているフェルメールの絵を訪ねて歩く紀行文である。
初出は、ANAの機内誌「翼の王国」に掲載されたものだそうである。
フェルメールの絵画やその細部、また、筆者が、各美術館のキュレーターなどに話を聞いているシーンの写真など、ふんだんに載った見ているだけでも楽しい本である。
フェルメールの絵画を所蔵する各国や絵画に描かれたものなどから連想される生物学者などにまつわる話も述べられている。
フェルメールの絵に秘められた幾つかの謎についても、筆者独自の解を提案している。
解が正解かどうかは、分からないが、絵画にまつわる謎を自分なりに、考えて、回ること自体が、楽しいことだと思う。
フェルメールの残された絵画は、三十数枚のみ人言うことで、なかなか実物を鑑賞することは難しい。
筆者のように世界中の美術館を訪ね歩くことができることは、うらやましいことである。
2011年8月1日 第1刷発行
2011年11月15日 第3刷発行
発行所 (株)木楽舎
ISBN978-4-86324-040-7
C0095 \2200E