樋口 有介 著
本格的ミステリー小説である。
秩父にある「ラザロ」は、元警官のマスターと寡黙で怪し気な青年が切り盛りするスナックだ。
ジャズピアノをひく女性、単身赴任しているコンクリート会社の技師、山岳写真家、黙々とお酒をのむ女子大生などの人物が集っている。
のどかな田舎であるはずであったが、ばらばら殺人事件が2件続けて起きる。
手口からすると同じ犯人の連続殺人事件のようだが、被害者同士には、関連性が見出せない。
そうこうしている内に、また、新たなばらばら死体が発見される。
死体右手にある共通の変型があることにベテラン刑事が気がつく。
また、20年くらい前に、被害者は、近くにいた可能性が出て来た。
20年前のあるできごとが、この犯罪を引き起こしているのだろうか？
事件の犯人は見つかるが、ベテラン刑事は、事件のさらなる真相を推測する。
2009年2月25日 初版発行
2012年1月20日 11刷発行
発行所 中央公論新社
ISBN 978-4-12-205120-1
C1193 \686E