ヘレーン・ハンフ 著
江藤 淳 訳
著者は、テレビドラマなどのシナリオや雑誌の記事、こども向けの本などを書いていた人だそうだ。
ニューヨークに住み、本好きの著者は、新聞の広告で、ロンドンのチャリング・クロス街84番地にある古書店マークス社に本の発送を依頼する手紙を送る。
これをきっかけにマークス社の人々、特に、ドエル氏との交流が始まる。
本書は、著者とマークス社の人々との往復書簡をまとめたものである。
本を読む楽しみ、本を手にした喜びなどが綴られる。
また、単に本の注文にまつわる手紙のやり取りだけでは無く、戦後の物のないときに、プレゼントを交換するなどの交流も行われる。
1949年の10月から1969年10月までの2０年に渡る交流だ。
実際にロンドンに訪ねたい希望は、あったが、かなわなかった。
交流は、ドエル氏の突然の訃報で終わる。
本を自然に開いた時に、以前読んだ人が良く開いたところが開く、それが自分の好きなところと同じだったと言うように古書が好きな人のほんの読み方と言う物もあるのだと思った。
中公文庫ハ61
1984月10月10日 初版発行
2010年4月10日 10刷発行
発行所 中央公論新社
ISBN 4-12-201163-9
C1198 \648E