クレア・キップス 著
梨木 香歩 訳
第2次世界大戦中のロンドン郊外で、巣から落ちた子スズメを著者が拾った所からストーリーは始まる。
子スズメは、足と翼に障碍があり、身体も弱っていたので、翌日までは、もたないと思った著者であるが、温かく包み、くちばしをマッチの軸で開けて、数分毎にミルクを一滴ずつたらしてやるなど介護してやった。
すると、翌日早朝、子スズメは、鳴き声を出せるようになった。
その後、子スズメは、驚くほど丈夫になり、12年間以上も、筆者と苦楽を共に過ごすことになる。
子スズメは、筆者に懐いただけではなく、色々な芸や音楽を覚えて、戦争の爆撃などにおびえる人々の心を和ませた。
また、野生のスズメでは難しいと思うが、老衰し、寿命を全うする。
その一生を通しての著者との心の交流とスズメの生態が描かれた記録となっている。
2010年11月10日 第1刷発行
2011年 2月25日 第4刷発行
発行所 (株)文藝春秋
ISBN978-4-16-373300-5
C0098 \1429E