吉田 修一 著
「朝日新聞」に2006.3.24〜2007.1.29まで連載された作品だそうだ。
福岡市と佐賀市を結ぶ国道の峠道にある三瀬峠で、女性の死体が見つかる。
犯人は、最初、裕福で、遊び好きの大学生かと思われたが、捕まった大学生の証言から別の男が浮かび上がる。
犯人は女性と携帯サイトで、知り合った土木作業員祐一であった。
祐一は、母に捨てられ祖父母に育てられた若者で、車が唯一の愉しみであった。
女性を殺した祐一は、寂しさを紛らすため、携帯サイトで、別の女性、光代とも知り合いとなる。
光代も、双子の妹と暮らす洋服店に勤める女性であるが、心を通わす知り合いもなく寂しく過ごしている。
警察から追われていることを知った祐一は、警察に出頭しようとするが、光代と別れ難く、一緒に逃げる。
祐一の祖母や亡くなった女性の両親などの心情を描きながら物語が進む。
出会うタイミングが異なれば、それぞれの人生が大きく変わったのでは無いかと思う。
また、自分の本当の気持ちと言うものも人との関係やタイミングで変わるのかも知れないと感じた。
2007年4月30日 第一刷発行
発行所 朝日新聞社
ISBN978-4-02-250272-8
C0093 \1800E