バルガス=リョサ 著
西村 英一郎 訳
著者は1936年にペルーで生まれた作家で、2010年にノーベル文学賞を受賞している。
本作品は、1987年に出版された物だそうである。
著者は、1958年にアマゾン奥地のインディオを調査し、部族の伝説や歴史を語り伝える役目をになっている「語り部」と言う存在に強く惹かれていたそうである。
物語は、主人公の回想と語り部が語る物語が交互に綴られる形になっている。
ユダヤ人の友人は、インデオのマチゲンガと言う部族と交流しその話を聞く内に語り部と言う役割をもつ人に傾倒して行ったようだ。
友人は言語学者が、インデオの部族に接触し、スペイン語などで、聖書を伝えることは、部族を滅ぼすことだと強く感じるようになり、文明化と逆行して部族の文化の深みに入り込もうとしているようだ。
友人は、イスラエルに移住すると言って、いなくなるが、かなり年月を経た後に見たマチゲンガ族の写真の中に写る語り部らしき人物が、友人の様に見えた。
インデオの伝承物語と思われるストーリーが本書の大部分を占めるが、神や精霊などの話であり、十分理解できず、読了にも時間が掛かってしまった。
2011年10月14日 第1刷発行
発行所 (株)岩波書店
ISBN978-4-00-327963-2
C0197 \840E