原 宏一 著
ホームレスなのに美食家と言う変わった設定である。
ヤッさんは、ホームレスであるが、築地市場や銀座などのレストランを訪ねると各店主に迎えられ試食など勧められる。
また、身体を鍛え、着ているものもこざっぱり身ぎれいにしている。不思議な人物である。
ヤッさんの経歴は徐々に明らかにされるが、食材や料理への知識とすばらしい味覚を持っているため、市場に入荷した食材の情報を良い食材を求める名店へ教えたりする食のコーディネータ役割を担っているのだ。
作品では、６つの物語から構成されるが、ヤッさんのホームレス哲学、ヤッさんの周りで発生する出来事が語られる。
食にまつわる蘊蓄とユーモアのあふれる人情物語である。
2012年10月14日 第1刷発行
2013年 2月13日 第12刷発行
発行所 (株)双葉社
ISBN978-4-575-51528-2
C0193 \667E