デイヴィッド・ゴードン 著
青木 千鶴
長編ミステリ小説である。
主人公は、書名の通り、ポルノやSF、バンパイヤ小説などを名前を変えて書いているあまり売れていない小説家である。
死刑の執行が迫っている連続バラバラ殺人事件の犯人から、主人公の小説家に、告白本の執筆依頼が来る。
ベストセラー間違いなしの本になると思うが、その条件として、犯人のファンである女性たちを物語の主人公とするポルノ小説を書く事を要求される。
主人公が、女性たちを訪ね、話を聞き、小説を書き始めるが、主人公が会った女性たちが、昔のバラバラ殺人事件と同じ手口で、殺されていくと言う事件が起きてしまう。
そして、主人公も命を狙われる。
刑務所に収監されている犯人が、殺人を起こす事は不可能だ。実は、別の真犯人がいるのだろうか？
事件の真相に主人公は迫るとともに、小説に対する考え方も突き詰めてゆく。
文中に挿入される主人公の作品やいくつかのどんでん返しが話を複雑にしていて、結末を予想するのは難しかった。
バラバラ殺人の表現等に生々しいものがあり、すこしどぎつい感じがしたが、本格的なミステリー作品であった。
2013年1月25日 発行
2013年2月15日 二刷
発行所 (株)早川書房
ISBN978-4-15-179501-5
C0197 \1000E