千住 博 著
日本画家である筆者の自伝的著書である。
小さいころから絵を描く事が好きであった著者が、画家を志し、さらに日本画家になった経緯を記す。
筆者の弟は作曲家、妹はバイオリニストと芸術家家族であり、それは母が、常に子どもたちを褒めて励ましてくれた事によるそうだ。
そして、日本画家になる事を決めたのは岩絵の具に魅せられたためだそうだ。
岩絵の具は、色の付いた岩の粉末をにかわで練ったものであるが、この岩は地球・宇宙の歴史と同じ歴史をもったものである。
また、本書では、筆者の芸術論、芸術家にたいする考え方、作品への思いや制作過程などが記されている。
シュールレアリズムなどで、作家が敢えて奇妙な形に描いているのでは無いかと思われるものがあるが、作家は、自分の見えているイメージそのもを書いているそうだ。
画家は、芸術家としての感性だけでなく、気力や体力も並外れていないと他の人が感動するような作品が作れないのだと思った。
2013年10月20日 初版1刷発行
発行所 (株)光文社
ISBN978-4-334-03767-3
C0271 \920E