エイモス・チュツオーラ 作
土屋 哲 訳
著者は、ナイジェリアの作家である。多分アフリカの作家の作品を読んだのは初めてだと思う。
主人公は、小さいときからやし酒を飲む事だけをして育ったが、専属のやし酒作りが死んでしまう。
やし酒造りの名人を訪ねて、死者の町へ旅をする。
道中、様々な生物(?)と出会い、命がけの経験をしながら、いくつもの森を抜けてゆく。
頭がい骨の生物や死神、赤い婦人、白い木の主等・・・。
また、主人公自身も、変身したり、魔法を掛けたり、神のようでもある。
ようやく死んだやし酒造り名人に会う事がでるが、名人は死んだので、戻る事はできないと願いを叶えてくれる卵をくれる。
主人公が旅から戻ると飢饉が起きていて、卵に食料を出してくれるように頼む。
村人すべてに食料を与えるが、やがて、村人が、卵を壊してしまう。
アフリカの伝承や神話をもとに記した物語だと思う。
普通の発想をかなり越えたストーリ展開に驚かされるが、幻想世界に入り込んだような感じを受けた。
岩波文庫 赤801-1
2012年10月16日 第1刷発行
2013年7月5日 第2刷発行
発行所 (株)岩波書店
ISBN978-4-00-328011-9
C0197 \600E