第1週

しあわせの書
迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術

泡坂 妻夫 著

25年以上前の作品であるが、古さは感じない。
読んで、テレビドラマのTRICKと少し似た印象を持った。
心霊術の実演やその暴露をしたりしている謎の外国人ヨギ ガンジーとその弟子の不動丸と美保子の3人組が、新興宗教団体のお家騒動に巻き込まれる。
高齢となった教祖が、2代目教祖選びを断食の行を行い、勝ち残った1人を後継者としようとする。
断食の会には、宗教団体で、選ばれた人たちが参加する。
参加者の個人名等は明らかにされないが、事故等で亡くなったのに蘇ったと噂される人たちが含まれる。
ヨギ ガンジーは、ヨガの経験から、断食の実施や勝敗の判定を教祖から依頼される。
断食行の終盤になり、多くの参加者が脱落するなか、元気そのものの人物が1名残り、他の人は、断食を止めおかゆ等を食べ始めるが、元気はもどらない。
本書のタイトルとなっている「しあわせの書」を用いて、読心術が行われるが、「しあわせの書」が断食の結果にも影響しているようだ。
ヨギ ガンジー等3人も断食を行い、体力をなくすが、断食行に仕組まれた悪巧みを解き明かす。
「しあわせの書」にはある秘密が隠されている事がわかる。
その秘密が最後に解き明かされるが、読者も驚かされる。

新潮文庫 あ-23-3
昭和62年7月25日 発行
平成25年11月25日 20刷
発行所 (株)新潮社
ISBN978-4-10-144503-8
C0193 \430E

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