村上 春樹 文
大橋 歩 画
女性向けの週刊誌アンアンで、１年間連載したエッセイを集めたものだ。
小説を書いているときは、エッセイは書きにくいそうだ。
小説用に取っているネタをエッセイのネタにしてしまう可能性があるからだ。
本連載エッセイは、長編小説の1Q84を完成させたのちに書かれている。
一つのテーマが、３ページの文と1ページの銅版画で構成されている軽い読み物だ。
著者の日常生活や趣味等が直接記されているので、このようなエッセイを読んで、小説を読むと小説の捉え方が少し変わるかもしれない。
著者は、アボガドが好きだそうだ。しかし、その食べごろを当てるのは世界で一番難しい。
ハワイのキラウエアのフルーツスタンドで果物を売っているおばさんはその食べごろを完璧に当てる事ができる。
キラウエアの小さな映画館で、見ていたミステリー映画のフイルムが途中で切れて、結末がわからなかった。
アボカドを見るとその映画を思い出す、と言うことだ。
2011年7月7日 第1刷発行
発行所 (株)マガジンハウス
ISBN978-4-8387-2250-1
C0095 \1400E