エステバン・マルティン、アンドレウ・カランサ 著
木村 裕美 訳
スペインの2人組の作品である。
サグラダ・ファミリアの設計者であるアントニ・ガウディは、帰宅する際に電車に接触し、事故死したと言われている。
本書では、これが、単なる事故死ではなく、殺人だったと言うところからスタートしている。
ガウディは、キリストを信奉し、キリストの秘宝を守る騎士団の一員であり、キリストの再臨を成し遂げようとしている。
一方、この騎士団に対抗し、悪の世界の実現を目指すメンスラ団は、騎士団のメンバーを殺し、秘宝を奪い、破壊することにより、キリストの世界の実現を永遠に阻止しようとする。
主人公マリヤの祖父は、老人介護施設に入っており、認知症が進んでいるが、時々、意識が明瞭になる。
その祖父から、祖父がガウディの意志を継いだ騎士団の一員で、メンスラ団に追いつめられつつあること、キリストの再臨に向けての、メンスラ団との最後の戦いが迫っていること、秘宝に至る謎解きをして、最後の戦いに勝利をしなければならないのが、マリア本人であることを告げられる。
突然の祖父の話に戸惑うマリアであるが、否応無しに、何者かからの脅威が迫って来る。
キリスト教や錬金術、ガウディとその作品に関する深い知識がふんだんに盛り込まれた作品である。
2013年10月25日 第1刷発行
発行所 （株）集英社
ISBN978-4-08-760669-0
C0197 \950E