ポール・ギャリコ 著
高松 二郎
2013年に文庫版も出ているようだが、1977年出版のものを読んだ。
40年位前に書かれた本であるが、あまり古さを感じない面白い本であった。
父親に認めてもらえないと思っている9歳半のジュリアンが、自分で発明したシャボン玉ピストルの特許を取ってお金持ちになって認めてもらおうとする。
アメリカ特許局のあるワシントンまで、カリフォルニアのサン・ディエゴからバスで、旅に出かける。
バスには、ベトナム帰還兵、高校生カップル、ソ連スパイ、米軍高官、そして、殺人犯まで乗り合わせている。
シャボン玉ピストルの図面を米軍の新兵器と思って写真撮影し、スパイがソ連に送る。
殺人犯は、バスジャックし、お金とメキシコへ行くことを要求する。
バスでの色々な事件に平行し、サン・ディエゴでは、ジュリアンの両親が息子がいなくなったことに気づき、警察と捜査を始める。
ジュリアンは、いくつものトラブルを帰還兵や米軍高官、ワシントンのタクシー運転手に助けられて乗り越え、また、両親や警察の捜査をかわして、特許局へ向かう。
果たして、特許を取得できるのだろうか？
長い旅を通して、子どもから大人への道も歩む物語である。
1977年6月30日 初版発行
発行所 （株）早川書房
ISBN***
C*** \1000(定価)