マリーナ・チャップマン 著
宝木 多万紀 訳
女性の14歳くらい迄の自伝だが、想像を絶するストーリだ。
5歳ぐらいからのできごとなので、現実が誇大化されている部分もあるかもしれないが、普通の人が体験することのあり得ない話である。
主人公は、5歳くらいの時に、誘拐されて、ジャングルの中に置き去りにされたそうだ。
南米のコロンビアとベネズエラの国境付近でのことらしい。また、家族のこと、名前、年齢も記憶がはっきりしない。
ジャングルに置き去りにされた少女は、次第に、サルの群れに近づき、群れに受け入れられて、共に生活するようになる。
サルから自然の中で生きる術を身につけてゆく。
しかし、自分が人間であることに気が付き、人間と共に生活することに惹かれるようになり、ハンターの前に姿を出してしまう。
ハンターに捕まえられて、少女は、売春宿に売り飛ばされる。
下働きをさせられていたがやがて、客を取らされそうになり、逃げ出すが、ストリートチルドレンにならざるを得ず、すばしっこさを武器に盗み等を行いストリートチルドレンのリーダーになる。
身を入れ替えて、食べ物と寝る場所を与えてくれるのであれば、無償で、家事をすると言って裕福そうな家を回る。
その中で、一軒の家が受け入れてくれたが、その家族は犯罪者の一家だった。
犯罪の色々な情報を知った少女は、身の危険を感じる。
隣家の女性が、少女を心配し、修道院に匿ってもらえるようにしてくれる。
しかし、修道院になじめず、助けてくれた隣家の女性に会いたいこともあって逃げ出してしまう。
隣家の女性は、自分の家では危険なため、遠くのボゴタに住む自分の娘のところに送ってくれる。
少女は、ボゴタで、ルス・マリーナと言う名前を得て、新しい人生をスタートする。
この後の人生の物語は、続編が企画されているらしい。
サルとの物語がもう少し描かれても良いと思った。
2013年12月3日 初版発行
発行所 駒草出版 (株)ダンク 出版事業部
ISBN978-4-905447-22-1
C0098 \1800E