伊坂 幸太郎 著
主人公の鈴木が、思う。人間は、ほ乳類じゃなくて蟻とかバッタに近い。夜だと言うのに明かりに群がる。
グラスホッパーと言うタイトルは、これに由来しているのだろう。
登場人物は、主人公である気の弱い元教師鈴木と三人の殺し屋、人を自殺に追い込む鯨とナイフ使いの蝉、そして「押し屋」である。
主人公の鈴木は、妻を車ではねて死なせた男への復習のため、男の会社に入りチャンスを狙っている。
その男が、鈴木の目の前で車にひかれる。その男は、「押し屋」に押されて、車の前に飛出したらしい。
鈴木は、「押し屋」らしい男を追いかける。
秘書を鯨に依頼し自殺させた議員が、鯨の存在自体も不安になり蝉に殺させようとする。
しかし、蝉は議員が仕掛けた鯨との対決に間に合わず、逆に、議員が鯨に自殺に追い込まれる。
「押し屋」を見つけて、失点を取り返そうとする蝉、かつて先をこされた「押し屋」を消して過去を清算しようとする鯨、鈴木・蝉・鯨・「押し屋」が絡み合って話が進む。
あり得ない設定だが、スピーディにストーリーが進む。ただし、鈴木の復習は達成されず、すっきり感は無い。
平成19年6月25日 初版発行
平成27年8月10日 48版発行
発行所 (株)KADOKAWA
ISBN978-4-04-384901-7
C0193 \590E