ヴィンス・ヴォーター 作
原田 勝 訳
吃音のある11歳の少年の夏休みの物語だ。
友達のラットの口に豪速球ボールを当ててしまう。
ラットが7月一杯メンフィスの祖父の農場に行けるように、ラットがやっている新聞配達を変わってあげると言った。
主人公は、新聞を配達することは苦はないが、毎週集金に回り、知らない人と話すことに胸が苦しくなる。
タイトルのペーパーボーイは新聞配達のことだ。
物語は、1950年代のアメリカ南部テネシー州のメンフィスを舞台にしている。
主人公の家には、マームと言う住み込みで家事や主人公の世話をする信心深い黒人の女性がいた。
主人公は、新聞配達で、何人かの住人と知り合いになる。
酒浸りのようだが美しい女性、いつもテレビにはり付いてみてる少年、主人公に色々な話をしてくれ、吃音のことも理解し、じっくり話を聞いてくれるスピロさんなどだ。
マームが近づくなと言ったR・Tと言う廃品回収の男に主人公が黄色のナイフを研いでもらう約束で渡すが、返してもらえない。
マームとR・Tには、昔なにかしら事件があったようだ。また、まだ黒人への差別も残っている。
主人公は、無事、１ヶ月の新聞配達を終えることができるのだろうか。
作者のヴォーターも吃音で、本書は、自身に起きたことを元に書いた作品とのことだ。
2016年7月8日 第1刷発行
発行所 (株)岩波書店
ISBN 978-4-00-116411-4
C8397 \1700