ヨハン・テリオン 著
三角 和代 訳
北欧スウェーデンのエーランド島を舞台にしたミステリー小説である。
ストックホルムから、２人の子供を連れた若い夫婦がエーランド島の古い大きな屋敷に引っ越してきたところから話ははじまる。
夫婦は、屋敷をリフォームし住みやすいようにしてゆこうとする。前途洋々とした幸せな生活が始まるかのようであるが、ストーリーは何と無く不穏なものを感じさせる。
屋敷のそばに、双子の灯台がある。この屋敷は、代々、灯台守やその家族たちが住んでいた。
しかし、屋敷は、難破した船の積んでいた木材などを用いて作られた。また、この屋敷に住んだ人たちには、現代までに多くの不幸な出来事があったようだ。
死んだ人の霊がとどまっているのか？長女のリヴィアは夢でうなされるようだ。
主人公のヨアキムが、ストックホルムに残していた荷物を取りに戻っている間に、妻のカトリンが灯台のそばで溺れてなくなってしまう。
ヨアキムには、人に言えない過去の影もあるようである。
また、島で、押し込み強盗が頻発するようになり、警察も動き出す。
カトリンの死は、事故なのか、何か屋敷に纏わる秘密が原因なのか？最後まで、真実が明かされない。
北欧のブリザードや泥炭地など寒さも感じるミステリーであった。
2012年2月15日 発行
発行所 （株）早川書房
ISBN978-4-15-001856-6
C0297 P1800E