小路 幸也 著
少し変わった設定の探偵小説であった。
主人公のザンティピーは、マンハッタンの私立探偵であるが、日本好きで、北海道に妹や知人がいる。
フーテンの寅さん風の日本語を操るが、読み書きはできない。
今度の依頼は、北海道のゴッシク温泉で、取られた写真に写る人物を探して、その写真を渡して欲しいという依頼である。
依頼者の祖父が、戦争で捕虜になっていた日本兵と親しくなり、日本兵から友情の証として、もらったものだそうだ。
依頼費用で、日本に行って、温泉に入れるとザンティピーは喜んで依頼を引き受ける。
北海道の知人にゴシック温泉という温泉があるか調べてもらい、それが五四季温泉だとわかったザンティピーは、簡単に、温泉の場所、写っている人物を探し出すことができた。
しかし、写っているのは自分だと言う湯治宿の主人や家族の様子が、おかしい。また、年数が経っているとは言え、写真の人物と容姿が少し違うような感じがある。
本当に、写真の人物なのか、あるいは、何か隠された秘密があるのか？
平成24年10月10日 初版発行
発行所 株式会社幻冬舎
ISBN978-4-344-41928-5
C0193 \533E