かこ さとし 著
本書は今年の5月に亡くなった著者が小学校の卒業が近づいたときに、担任の先生から小学時代をまとめるように言われて書いた原稿を元に作ったものだそうである。
大正15年に福井で生まれ、小二の時に板橋に引越したそうである。
小学校六年生の時に書いたとは思えないほど、きちんとした文章と絵が書かれていて驚かされる。
後年、細かく、緻密な内容の絵本も多く作った筆者らしい内容だと思った。
小学生の目から見た、太平洋戦争の前の社会や日本の様子も書かれている。
また、小学校の時書いた原稿の合間に、当時を思い出して、書き起こした内容も書かれているが、かなり細かな内容まで記憶されていて、90歳を越した筆者の記憶力の良さにも驚かされた。
そもそも、80年前に書かれた原稿が、戦争を経ても保管されていて、本になったこと自体がすごい。
2018年3月 初版1刷
発行所 偕成社
ISBN978-4-03-808260-3
C8095 \1600E