三枝 聖 著
法昆虫学と言う聞きなれない分野について書いた本である。
事故や事件で亡くなった人を検死し、死因や死亡時期を特定する法医学という分野がある。
法昆虫学と言うのは、亡くなった人に発生する蝿などの虫の状況から亡くなった時期などを推定するのだそうだ。
筆者は、虫の状況を法医学にのみに適用するのではなく、他の捜査、例えば移動距離や移動元を推定するのにも使えるので、法医昆虫学ではなく、法昆虫学と言う言葉を用いている。
法昆虫学と言う分野は、まだ、確立した分野ではなく、実際の捜査に使われているのは、岩手県警など限られているようだ。
今分野に従事している人もごく限られているそうだ。
従来、死体に着く虫は、死体の状態を悪くするため、捜査の邪魔者扱いだったそうだ。
遺体にすぐに虫がわくと言うことに驚かされる。
2018年7月30日 初版発行
発行所 築地書館(株)
ISBN978-4-8067-1563-4
C0045 \1500E