ジョーン・リンジー 著
井上 里 訳
本作を原作にした映画が1986年に日本で「究極のカルト映画」として大ヒットしたそうだ。
本作は、著者が、１週間に渡って見た不思議な夢を記したものだそうだ。
オーストラリアの寄宿女学院の生徒がピクニックに出かける。
ハンギングロックというところで、3人の女生徒と1人の先生が消えてしまい、消息が分からなくなる。
1人の生徒だけは、少しして、意識を失って倒れているところを発見されるが、何が起きたかは、全く記憶していない。
この事件をきっかけに、女学院にまつわるもの全体がおかしくなり、女学院の校長の死、女学院の崩壊に至る。
本作では、最終章を含まない形で、出版されているが、筆者の最初の作品では、消えた女学生らに起きた出来事、岩肌にひびができて、その中に入っていったことが記されているそうだ。
出版社が、謎を残したまま、本書を出版したことによって、本書や映画がヒットに結びついた。
本書に記されたような失踪事件が実際にあったと言う記事もあるそうだ。
過激な表現はないが、なんとなく不安感を感じさせるような書き方で、何か事件が起きるのではないかと思わせ、先に読み進まさせられた。
2018年12月21日 初版
発行所 (株)東京創元社
ISBN978-4-488-59402-2
C0197 \1000E