今村 昌弘 著
本作は、第27回(2017年)鮎川哲也賞受賞作品だそうだ。
最初は、大学のミステリー愛好会のメンバーが、映画研究部の合宿に参加し、そこで起きる事件を解決する軽いタッチの物語だと思ったが、読み進むととんでもない状況が発生する。
テロ集団が、近くで開催されている野外ロックフェスティバルを標的に集団最近テロを起こす。
感染した被害者が合宿の宿舎であるペンションを取り囲んでしまう。
合宿メンバーは、映画研究部員の他、演劇部員、映画研究部OBと友人達、ミステリー愛好会会長と主人公の葉村、そして、事件を解決に導く探偵少女比留子である。
昨年も映画研究部の合宿は行われ、何らかの事件があったようだ。
映画撮影の後、夜の神社に行ってくる肝試しを始めるが、そこで、感染者の集団に遭遇し、とんでも無いことが起こり、戻ることができたメンバーは、ペンションの入り口を封鎖して立てこもる。
その夜、クローズドサークルとなったペンションの一室で一人のメンバーが惨殺される。
2重の密室の中で行われた殺人事件を葉村や比留子が解決しようとする中、連続殺人が行われる。
犯人を見つけることができるのか、感染者に囲まれたペンションから救出されることができるか？
とんでもない周辺設定、細部にこだわった事件設定で、どう解決されるのか、最後まで頭を捻らさせられた。
2017年10月13日 初版発行
発行所 株式会社東京創元社
ISBN 978-4-488-02555-7
C0093 \1700