早坂 吝 著
AI探偵の相以（あい）と高校生の輔（たすく）が主人公の推理小説である。
相以は、輔の父である人工知能研究者である創が、作ったAIプログラムである。
創は、密室で、不審な焼死を遂げる。輔は、父が隠したと思われるSDカードを見つける。
その中には、AIプログラムが入っていて、創に作られた刑事AIプログラム相以だと言う。そして、犯人AIの以相（いあ）と一緒につくられたようだ。
相以と以相に相互に競わせてることによって、両方のAIプログラムを進化させていた。
父の死は、事故による焼死と見なされたが、創は、納得できず、相以に推理させようとする。
しかし、現実の問題を相以に解かせようとすると、仮説が絞り込めないと言うフレーム問題に陥り推理できなくなったため、推理小説を1000冊を読ませ、ディープラーニングをさせる。
推理小説による学習により、相以は探偵AIとなり、父の事件を推理する。
事件の背後には、犯人AIを入手しようとするテロリスト集団「オクタコア」が、居ることが判明し、オクタコアとの戦いが始まる。
AI研究で、問題となる「フレーム問題」「シンボルグラウンディング問題」「不気味の谷」中国語の部屋」などを各話のタイトルにし、AI探偵の相以の進化を物語化している。
AIブームに乗った推理小説である。作品の中で、語られる様に、推理小説を読んで、AIの学習ができる様になれば、AIの進化はめざましいものになると思う。
平成30年6月21日 発行
発行所 株式会社 新潮社
ISBN 978-4-10-180124-7
C01973\630