アンソニー・ホロヴィッツ 著
山田 蘭 訳
筆者は、コナン・ドイル財団公認のシャーロック・ホームズシリーズの新作「絹の家」を書いた人である。
本書でも、ホームズとワトソンのような人物が登場する。
探偵は、ホーソーンというロンドン警視庁の元刑事、素晴らしい推理力を持つが、偏屈かつ自分の素性を明かさない。
一方、ワトソンに相当するのは、作者であるホロヴィッツ自身という設定である。
ホロヴィッツは、ホーソーンから、自分が追いかけている事件を本にしないかと言う申出を受け、奇妙な事件に関わることになる。
その事件は、資産家の老婦人が、葬儀の手配をしたその日に、絞殺されると言う事件が起きた。
老婦人は、交通事故で、幼い双子の子供をはね、一人を死なせ、一人に重い後遺症を残す事故を起こしていた。
老婦人は、事故の際、メガネを掛けておらず、それが事故の原因と思われたが、無罪となり、釈放されていた。
この事故の被害者の関係者が、老婦人を恨み、事件を起こしたのではないかと最初思われたが、
ホーソーンが細かな事実を積み上げ、謎を解いて行く本格的なミステリーとなっている。
2019年9月27日 初版
発行所 株式会社 東京創元社
ISBN978-4-488-26509-0
C0197 \1100E