エドガー・アラン・ポー 著
巽 孝之 訳
新型コロナウイルス感染症が拡がっている。
疫病がテーマとなっている作品として、ポーの短編「赤き死の仮面」が紹介されているのを見て、本書を読んでみた。
ポーは、19世紀最初に生まれ、その前半世紀に多くの作品を残している。
ミステリー小説の他に、本書のような神秘・怪奇的な作品（ゴシック風と言うようです。）も残している。
本書では、上記した「赤き死の仮面」のほか、表題作を加えて、6作品が収録されている。
「赤き死の仮面」は、「赤き死」なる疫病が発生した国が舞台である。
この疫病は、感染すると、全ての毛穴から血が溢れ出し、真紅の斑点だらけになり、30分くらいで命を奪う。
国王は、矍鑠（かくしゃく）で、陽気な友人たちを大勢城郭に招き入れて、鋼鉄の門のかんぬきを溶接して、外部と完全に隔離した。
城内では、食料や娯楽も豊富にあり、王はじめ、全員が安全に、過ごす。
そして、6ヶ月ほど経過し、城外では、疫病がさらに猛威を振るう中、王は、城内で豪華な仮面舞踏会を催す。
その舞踏会に、「赤き死」の化身を気取ったような人物が現れる。
この人物に、憤った王は、剣を抜く。と言うストーリーである。結末は？
他の作品も、いずれも、ホラー的恐怖を感じさせる。
内容にも依存していると思うが、個人的には、少し読みにくく、読了に時間がかかった。
平成21年4月1日 発行
平成26年3月30日 6刷
発行所 株式会社 新潮社
ISBN978-4-10-202804-9
C0197 \400E